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Islands Architecture
アイランズアーキテクチャ
Islands Architecture を分かりやすく
Islands Architecture(アイランズアーキテクチャ)は、ウェブページの一部だけを動的に更新し、残りを静的に保つアーキテクチャパターンです。"Islands"(島々)という名前は、動的な部分(つまり JavaScript で駆動される部分)がページの中に分散している(島のように)ことから来ています。
このアーキテクチャは、全体のパフォーマンスを維持しつつ、特定の部分だけをダイナミックに更新するという狙いを持っています。例えば、ウェブサイトの大部分は静的コンテンツで、特定のユーザーインタラクション(例えばコメントの投稿など)に応じて一部が動的に更新される、といったシナリオに対応します。
Katie Sylor-Miller氏 と Islands Architecture
Katie Sylor-Millerは、フロントエンドアーキテクチャの概念とその実装について深く理解し、それを活用して高品質なウェブエクスペリエンスを提供するための戦略を策定しています。その中には、"Islands Architecture"のような新しいアーキテクチャパターンの採用が含まれます。
彼女は、静的と動的なコンテンツを適切に組み合わせることで、ユーザーエクスペリエンスとウェブサイトパフォーマンスの最適化を実現するこのアーキテクチャの重要性を強調しています。そのため、彼女のアプローチは、アイランズアーキテクチャの基本的な原則と深く一致しています。
また、Sylor-Miller氏は、エンジニアが現代のウェブ開発の問題に対処するための教育的リソースを提供することで知られています。これには、アイランズアーキテクチャのような高度なテクニックを理解し、適用するためのガイダンスも含まれます。
彼女のリーダーシップと洞察力により、多くの開発者がIslands Architectureを活用して、ウェブページのパフォーマンスを向上させ、ユーザーエクスペリエンスを最適化することができます。
Islands Architecture を使うメリット
Islands Architecture のメリットは大きく3つあります。
パフォーマンスの向上
静的コンテンツを多く使用することで、全体的なウェブサイトのパフォーマンスが向上します。また、必要な部分だけを動的に更新することで、全体のページロード時間を短縮します。
開発の柔軟性
ウェブページの各部分を独立して管理できるため、開発者は特定の部分に焦点を当てて動的な機能を追加できます。
スケーラビリティ
大部分が静的コンテンツであるため、ウェブサイトのスケーラビリティが向上します。また、動的な部分は分散して管理されるため、一部の負荷が増加しても全体のパフォーマンスには影響しません。
Astro
Astroは、Islands Architectureを効率的にサポートする革新的なフレームワークです。Astroの強力な特徴は、コンポーネントを「部分的にハイドレート」する能力です。これは、特定のコンポーネントが初めて対話されるまでJavaScriptがロードされないということを意味します。その結果、ページの初期ロード時間が短縮され、全体的なパフォーマンスが向上します。
以下に、Astroを使用したIslands Architectureの実装例を示します。なお、Astroは、JavaScriptフレームワークに依存しないため、この例ではVanilla JavaScriptを使用しています。
---
// Astro コンポーネントは、デフォルトでは静的にレンダリングされます
// そのため、最初はJavaScriptが必要ありません
---
<StaticPart someProp="Hello from Astro" />
---
// Astro コンポーネントを動的にレンダリングするためには、"client:load" 属性を追加します
// この属性は、ユーザーがコンポーネントと対話するとき(例えばクリックするとき)に、
// コンポーネントをハイドレート(JavaScriptをロード)します
---
<DynamicPart client:load someProp="Hello from Astro" />
ここで、StaticPart
とDynamicPart
は、Astroコンポーネント(.astro
ファイル)であると想定しています。それぞれのコンポーネントは、自分自身のロジックと表示を処理します。
このように、Astroを使用すれば、Islands Architectureを簡単に実装することができます。静的な部分と動的な部分を分離することで、ウェブページのパフォーマンスとユーザーエクスペリエンスを向上させることができます。
Next.js で Islands Architecture を実装
Next.js と TypeScript を用いた Islands Architecture の基本的な実装を以下に示します。
type DynamicPartProps = {
data: string
}
const DynamicPart = ({ data }: DynamicPartProps) => {
const [dynamicData, setDynamicData] = React.useState(data);
React.useEffect(() => {
// データのフェッチや更新のためのAPIを呼び出すなどのロジックをここで書く
fetch('/api/update-data')
.then(response => response.json())
.then(updatedData => setDynamicData(updatedData))
.catch(error => console.error(error));
}, []);
return (
<div>
<p>{dynamicData}</p>
</div>
)
}
type StaticPartProps = {
staticData: string
}
const StaticPart = ({ staticData }: StaticPartProps) => {
return (
<div>
<p>{staticData}</p>
</div>
)
}
type PageProps = {
data: string,
staticData: string
}
export const Page = ({ data, staticData }: PageProps) => {
return (
<div>
<StaticPart staticData={staticData} />
<DynamicPart data={data} />
</div>
)
}
このコードでは、ページ全体を表す Page
コンポーネントが2つの部分、StaticPart
と DynamicPart
に分割されています。StaticPart
は静的なデータを表示するためのコンポーネントで、一度レンダリングされた後は更新されません。一方、DynamicPart
は動的なデータを表示するためのコンポーネントで、useEffect
フックを使用してデータを更新します。
このような構成により、Islands Architecture の主要な特性である「一部を動的に更新しながら残りを静的に保つ」を実現しています。
このアーキテクチャを採用することで、パフォーマンスの最適化と、必要な部分だけを動的に更新する柔軟性を両立することができます。また、このパターンは、Next.js と TypeScript を使用した開発において特に有効で、これらのツールの機能を最大限に活用することが可能です。